日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

日本は世界5位の農業大国

日本の食料自給率は41%しかなくこれは食料安全保障上とても危険だ、とこの本読むまでは僕も思ってたんだがどうやらそうでもないみたいだ。そもそも農水省が発表している食料自給率の計算式そのものにカラクリがあるのだという。まずベースとなっているのが生産額ではなくカロリーベースという点。一人1日当たりの国産供給カロリーを一人1日当たりの全供給カロリーで割って算出する。ということは分母の供給カロリーというのは実際に摂取しているカロリーではないということ。毎日大量に廃棄されているコンビニや外食産業の食べ残し分も含まれているのだ。そしてカロリーベースということは、いまメタボ対策など叫ばれている中でカロリー過剰なわけで低カロリーへ向けていかなければいけない、つまり分母を小さくする必要があるということだ。また分子の国産供給カロリーには全国200万戸以上ある自給的農家などが生産する農産物は含まれていないし、国内で飼育された牛、豚、鶏であっても海外から輸入された餌を食べた家畜は国産としてカウントされないという。また、この計算式で考えれば供給カロリーが少なく、食料を輸入することもできない最貧国の食料自給率が最も高くなるということだ。はっきり言って意味がない。こんな食料自給率を発表しているのは日本だけだという。すべては農水省の利益のために巧妙に仕掛けられていると著者は力説する。確かに政府やマスコミの報道を鵜呑みにしてしまうのも危険だなと思った。確かによく考えたらスーパーに並んでる野菜なんかほとんど国産だ。民主党の戸別補償とかのバラマキ政策なんてとんでもないと思うな。

<「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」 浅川芳裕著 講談社+α新書