日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

新聞消滅大国アメリカ

あのNYタイムズが発行部数を大幅に減らし経営危機に陥り人員削減に取り組んでいる。カリフォルニア州北部最大の新聞サンフランシスコクロニクルも猛烈なリストラが行われつつあり廃刊寸前に追い込まれているという。いまやアメリカでは既に新聞社のビジネスモデルが崩壊してしまっているのだ。いうまでもなく、その原因の多くはインターネットの登場による。インターネット上ではあらゆるニュースが無料で提供されているのだからわざわざお金を払ってまで新聞を購読する必要がなくなりつつある。けれど、新聞社がなくなれば、ニュースとなる政治や経済、事件を取材する人材がいなくなってしまうということになる。インターネットでは新聞社が発信する情報をただ流しているだけだから。そうした中で、ウォールストリートジャーナルやニューヨークポストを傘下に抱えるメディア王ルパードマードックはグループすべての記事を有料化すると発表した。果たして紙の新聞はなくなってしまうのか? 一体これからの新聞はどのような形態におさまるのか? 全く予想ができない時代だ。 <「新聞消滅大国アメリカ」 鈴木伸元著 幻冬社新書>