華族たちの昭和史 |
明治のはじめに誕生し終戦後に廃止された華族。 皇族でもなければ平民でもない特権階級であったが、 ひと口に華族と言っても 公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵とその爵位によって 微妙に立場が異なっていた。 終身の貴族院議員であり報酬のなかった公爵、侯爵に対して 任期7年で選挙もあり報酬もあった伯爵、子爵、男爵。 また、その歴史からして 公家華族、士族華族、そして勲功華族によっても その立場や生活も異なっていたという。 先の大戦において、 軍人が爵位が欲しくて戦争に突き進んだ面も否定はできない。 やはり国家が人に、特別な栄誉を与えるなんてことは マイナス面でしかない、と僕は思った。 <「華族たちの昭和史」 保阪正康著 中央文庫>