日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

死体の経済学

タダ同然のドライアイスが1日1万円、使い回しの祭壇が100万円。粗利5割7割は当たり前と言われる葬儀ビジネスも多少変化の兆しがみえてきたらしい。とはいえ一人平均231万円という大金を使う葬儀費用はいまだベールに包まれた部分も多い。

映画「おくりびと」の主人公の職業は納棺師であるが、映画のようなきれいなシーンばかりではなく実際はかなりハードな仕事のようだ。高額収入といわれる納棺師、映画のヒットにより求職者が殺到することもないだろうが、仮に殺到したところでこの仕事を長く続けていく人とはそう多くはないだろう。できればやりたくない。そう多くの人が思っているからこそ、原価に対して法外なサービス料が請求できるビジネスということらしい。

<「死体の経済学」窪田順生著 小学館101新書>