日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

新 歴史の真実

東京裁判の無効性とか靖国神社の存在意義とか、言おうとしていることは理解できるしもっともだと思う部分も多いんだけれど。あまりにも日本や日本人を美化しすぎてるんじゃないか。先の大戦について、アジア諸国に謝罪する政治家を非難したりしているが、良いことは良いこと悪いことは悪いこととして謝るってゆうのが、それこそまさに著者が重んずべきという武士道の精神なんじゃないの?ヨーロッパは昔から民族間の戦争、殺しあいの歴史ばかりだが、日本はほとんどそんな歴史はないって言うけど、著者が崇拝する天皇家の古代の歴史なんて親殺し子殺しなんて当たり前の歴史じゃないのかな。いまや世間では誰もが支持することのない天照大神卑弥呼説を唱えるなど、あまりにも偏った視点には嫌悪感すら覚えた。1983年に書かれたこの本の中で、著者は今の政治家にはろくな人材がいないという。安倍晋三以外、あとはほぼ全滅だ、と。彼に政権を委ねるという選択を示唆しているが、実際の安倍政権はあんな結果なんですから、ね。歴史の真実、しっかり見なくちゃ。

<「新 歴史の真実」 前野徹著 講談社+α文庫>