日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

世界史のなかの満洲帝国と日本

満洲とは何か、ということを突き詰めて考えれば 中国とは何かってことになると思う。 日本のように歴史がひとつにつながっているわけではなく、 統治地域も民族もバラバラで、いろんな国家が生まれては消えることの繰り返しであった中国。 そもそも万里の長城は、漢民族が北方異民族の侵入を防ぐために築かれたのではなかったか。 ならば万里の長城の北に位置する満洲の地は、果たして中国の、漢民族の領土なのか。 もちろん今の中国は、 漢人ばかりでなく満州人、モンゴル人、朝鮮人、その他大勢の少数民族を含めて 中国人と呼んでいるのであろうが。 仮に日露戦争で日本が負けていれば、その地は間違いなくロシアの領土になっていただろう。 <「世界史のなかの満洲帝国と日本」 宮脇淳子著 WAC>