日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

オバマ大統領 ブラック・ケネディになれるのか

第44代アメリカ合衆国大統領バラク・フセイン・オバマ・ジュニア

黒人初の、と形容されることの多い彼はしかし、奴隷制の記憶を持つ他の黒人とは明らかに違う生い立ちである。

1961年、ケニアの黒人留学生と白人のミドルクラスの大学生との間にハワイで生まれた。

彼自身はキリスト教徒であるが、「フセイン」のミドルネームが示すように父親はイスラム教徒であり、のちに両親の離婚と母親のインドネシア人男性との再婚に伴い、世界最大のイスラム教徒が住むインドネシアで暮らした経験を持つ。さらにコロンビア大学卒業、ハーバード大学ロースクール修了、弁護士、イリノイ州上院議員、連邦上院議員というエリートとしてのキャリアも併せ持つ。

その人種的、文化的、社会階層的多様性を集約できたところが、多くの支持を集めているのだろう。

とはいえ、ケニアからの留学生のハーフの子供がホワイトハウスに入るようなアメリカという国に比べて日本 の政治家は情けなく世襲ばかりだ。

ここ数代、日本の総理大臣は総理大臣の孫、総理大臣の子、総理大臣の孫?と続いている。

?確かに?ウイッシュ、と言う孫のほうが害がないと思うのは僕だけだろうか?

世界的な経済不況の中で、オバマ人気により期待感のあるアメリカに対して、麻生内閣に失望感いっぱいの日本。日米の差を感じざるを得ない。

(「オバマ大統領 ブラック・ケネディになれるのか」村田晃嗣渡辺靖著 文春文庫)