日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

日本経済の真実

日本経済を立て直すためにはGDPを成長させなければいけない。100円ショップやユニクロでいくら買い物してもGDPは伸びない。中国やアジアのGDPが伸び雇用を増やしているだけだ、と。そういったことはよくわかる。が、小泉・竹中政権の政策を擁護する点や金持ち優遇と思われる考え方には賛同しかねるなあ。「必要経費を除いて1億円の所得がある人は5000万円も所得税を取られる」と、高額所得者の所得税減税を示唆しているが、そんな人はそもそも使えるだけ必要経費を使っているだろうし、それで1年で5000万円の現金が使えるのだ。普通一般のサラリーマンならろくな必要経費も認められず少ない可処分所得でやりくりしているのだ。仮に人口比率にしてわずかしかいない年収1億円の人の所得税を10%減税するなら、年収500万円くらいのサラリーマンや300万円以下の非正規雇用社員など多くの中低所得者に大幅増税しなければならないではないか。既に高額所得者である著者の横暴な考えだと思う。決して共産主義ではないけれど格差の大きな社会が幸福だとはどうしても思えない。 <「日本経済の真実」 辛坊治郎・辛坊正記著 幻冬社