日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

冷静と情熱のあいだ

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昨年読んだ本の中で同じタイトルの本が2冊ある。それが「冷静と情熱のあいだ

過去の忘れられない恋愛をひきづりつつ、10年前に交わした約束通り再会を果たす物語を

辻仁成江國香織、二人の作家がそれぞれ男性の視点、女性の視点から描いた作品だ。

共に別れた恋人への思いを胸に秘めて他愛のない約束だけを信じて生き、そしてイタリア・フィレンツェで再会するわけだが、

江國が描く主人公あおいはかつての恋人との再会を果たしたことによって新たな未来へ向かって生きていこうとする予感に満ちているのに対して、

辻が描く主人公順正は過去に戻ろうと、もう一度あの頃に戻ってやり直そうという思いが伝わってくる。

過去の恋愛に対する女性の潔さと、男の未練たらしさ。なんだかわかるなあ、という感じ。

書評かなにかでこの本のことを知り、読んだわけだが、後で知った話ではこれ映画とかドラマにもなってたらしい。

辻仁成って、中山美穂の旦那くらいのイメージしかなく、それでも去年、この本ともう一冊読んでた。

人に薦められて読んだ「サヨナライツカ」。

これも映画化されてるみたい。で、このストーリーも過去の恋愛を引きずって生きる男の話だ。

辻仁成って、相当、未練たらたらな男なのかもしれない。

他の作品読んでないから、わからないけど。