日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

東京五輪までは持たないね。

どう考えてもクロだろう。 政治生命は終わった。 東京都知事猪瀬直樹だ。 医療法人徳洲会グループからの無担保無利子の現金融資は 政治資金規正法違反ばかりか歴然とした収賄なのではないか? 記者会見でのしどろもどろぶりは観ていて情けなくなる。

彼の著書「ミカドの肖像」を読んだのは20代の頃だった。 皇室と西武グループとの不思議な関係を暴いたノンフィクションはかなりの力作だった。 のちに「天皇の影法師」では歴代天皇の柩を担いできた八瀬童子について、 「東条英機 処刑の日」ではA級戦犯の起訴、処刑の日と天皇誕生日の関係について。 また「ペルソナ」では三島由紀夫伝を著してきた。 そのテーマ選定や内容には僕の関心を呼び満足させてくれるものが多い。 が、どうも消化不良な読後感が否めなかった。 その理由が今回の事件をきっかけにわかったような気がした。 それは彼の視点が一定ではなく、常にブレを感じさせるものだったからではないか、と。 思想性はさておき石原慎太郎都知事の一貫性と比較すれば鮮明だ。 新たな事実を炙り出す術には長けているが、だからどうしたという提言がないのだ。

道路公団の民営化の時にあれほど税金の無駄について徹底的に論じておきながら 自ら東京都知事選の出馬にあたっては今回のような事態を招くほどに脇が甘すぎる。 もっとも、あの容姿とボソボソとした喋り方が何より生理的に合わないんだけど。