日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

わたしが正義について語るなら

アンパンマンの作者による著書。 正義なんて立場が変われば悪になることもある。 戦争を体験してそのことを学んだという。 正義とは何か。傷つくことなしには正義は行えない。 そんな思いから生まれたアンパンマンは最初、酷評されたらしい。 こんなもの人気が出るはずがない、と。 しかし、小さな子供たちに好かれた。 子供たちは正直だ。 面白ければ何度も何度も読んで欲しいと要求するが、 面白くなければ容赦なく見向きもしない。 アンパンマンのストーリーには著者の正義に対する思いが詰まっているみたいだ。

そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷が痛んでも なんのために 生まれて なんのために生きるのか こたえられないなんて そんなのはいやだ 今を生きることで 熱い心 燃える だから 君は行くんだ ほほえんで そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷が痛んでも ああ アンパンマン やさしい君は いけ みんなの夢 まもるため なにが君の しあわせ なにをして よろこぶ わからないままおわる そんなのはいやだ 忘れないで 夢を こぼさないで 涙 だから 君はとぶんだ どこまでも そうだ おそれないで みんなのために 愛と勇気だけが ともだちさ 

<わたしが正義について語るなら」 やなせたかし著 ポプラ新書>