日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

「靖国」という悩み

日本国民の誰もが靖国神社に参拝することに異存はない。 が、A級戦犯が合祀されている以上、我が国の政治指導者が8月15日に参拝することには反対である。 という立場の著者が述べる意見。 戦勝国による一方的で不当な東京裁判で裁かれたA級戦犯の犯罪性に疑問を持つ僕には それは容認できない意見であった。この本を読むまでは。 そもそも靖国神社とは近代日本の戦争で戦死した兵士を祀る神社である。 果たしてA級戦犯は戦場に赴き戦地で命を落とした兵士であったか? 否。 そう言われると確かにそうであるな、と。僕の思考も微妙に。 また著者によれば併設されている資料館「遊就館」の歴史説明があまりにも酷いらしいのだ。 先の大戦に対する反省が皆無であり、戦前の思考そのままであり政治的な色彩が強いという。 僕は一度も訪れたことがないからわからないけれど。 次に上京する機会があればぜひ一度、靖国神社参拝と遊就館見学をしてみよう。 <「『靖国』という悩み」 保阪正康著 中公文庫>