日出づる国の片隅で。

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領土問題をどう解決するか

領土問題をどう解決するか

領土問題をどう解決するか
著者:和田春樹
価格:840円(税込、送料込)
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特に北方領土問題についての考察と提言に重きを置いた本。 右翼の人たちはもとより、外務省の見解を鵜呑みにする一般の人たちからも 「売国奴」と呼ばれかねないかもしれない主張であるが いろんな意見がある中で僕の意見にも最も近い内容であった。 「我が国固有の領土」たる論理は ヨーロッパの国々やアメリカなどに通用するはずはなく、 そんなことが罷り通れば欧米の多くの国家の存続すら否定されかねない。 そもそも、北海道も含めてそれらはアイヌの人たちが暮らす土地であったのではないか。 サンフランシスコ平和条約で我が国が放棄した 千島列島に国後・択捉は含まれない、というのは詭弁にすぎない。 まさに正論だ。 それはカムチャッカ半島から北海道に連なる島々の地図をみれば明らかである。 もっと言うなら かつて大日本帝国は日清、日露戦争第一次世界大戦に勝利し 当然のように他国の領土を奪い国土を広げた。 にもかかわらず、第二次世界大戦で敗北すれば 元々我が国の領土であった土地は返せというのは あまりにも都合が良すぎて矛盾に満ちていると言わざるを得ないだろう。 戦争に負けるということはそういうことなのだ。 尖閣について中国が、竹島について韓国が主張する事実の歪曲、詭弁、捏造を批判するためにも 日本は事実に基づいた正しい主張を貫き通すべきだと思う。 正直、想像以上に北海道に近い国後島はできれば返還してほしいが 最悪、歯舞・色丹の二島返還でもよしとすべきではないか。 竹島については、韓国の主張に無理はあると思うが 例え国際司法裁判所が審判したとすれば よくて日韓の共同管理、最悪、韓国領との判決が出される公算のほうが高いのではないか。 尖閣については相手が中国であるだけにややこしいが、 これこそは正論を貫き軍事衝突をさけつつ解決をはかるしか仕方がないだろう。 (※ここに書いたのは、あくまで僕の個人的な意見であります) <「領土問題をどう解決するか」和田春樹著 平凡社新書