日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

名前のない女たち 最終章

自ら志願して安いギャラで体を売り歩く企画AV女優たちをリアルに描いたノンフィクション。いじめ、引きこもり、親への憎悪、リストカット、鬱や精神神経症消費者金融の借金、自殺未遂・・・など彼女たちに共通のキーワードとしてよくでてくる。そしてアイスだけで食事を済ませる女性や100円バーガーとアップルパイを一日3回食べて育ちカロリーメイトをご飯代わりにする女性など。彼女たちに共通しているように思えたのは極端な偏食の傾向というより「食」に対する欲望の欠如みたいなもの。陰の要素が多く、すべての女性から「死」を連想してしまう。なんだか読んでて重く暗い気分になったが、きっちりちゃんとした食事は大切なんじゃないかな、と思った。 <「名前のない女たち 最終章」 中村淳彦著 宝島SUGOI文庫>