日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

小説琉球処分(上)

世の中の何もかもが大きく変わる明治維新。その激動の時代の中で、それまで薩摩の支配下に置かれながらも清にも朝貢しつつ一つの独立国として存在していたものが突如、日本の中に組み込まれていく琉球の人々が驚き戸惑い揺れ動く様を描いた小説。上巻のみで500頁を超える大作であるが、今も複雑な琉球・沖縄の置かれた微妙な立場を理解することができる。 <「小説 琉球処分(上)」 大城立裕著 講談社文庫>