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英語化は愚民化

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英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書) [ 施光恒 ] 価格:820円(税込、送料無料) (2017/10/21時点)

楽天ファーストリテイリングなど 社内の公用語の英語化を進める企業が出てきたが、 それは日本人を愚民化する暴挙だと一刀両断する筆者の意見に大賛成だ。 その昔、明治維新の際も日本語廃止論があったそうだが、 それは高等教育のための語彙が当時、日本語になかったから。 しかし福沢諭吉などが大いに反対し、 高等教育に使われる外国語の翻訳を進めることによって 日本語で十分な高等教育を受けることができるようになり 今日の日本の繁栄が築き上げたのだという。 物理や化学の分野で日本人が何人もノーベル賞を受賞しているのに対して 韓国人が一人も受賞していないのは韓国ではそれらを学ぶためには 英語をはじめとする外国語を学ばなければいけないことも理由の一つだろう。 経済のグローバル化のためには英語が必要との意見には、 英国の植民地であったインドや米国の植民地であったフィリピンの経済の現状をみれば それは幻想でしかないことがわかる。 何も英語を学ぶことを否定しているわけではない。 英語に秀でた日本人がそれを活かして活躍することはいいことだと思う。 日本人にとって日本語を話すことは最も大きなアイディンティティだ。 日本人らしさや日本文化の素晴らしさは世界に誇れるものである。 それらを放棄することは絶対にあってはならないと思う。 <「英語化は愚民化」 施光恒著 集英社新書