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千島問題と平和条約

千島問題と平和条約

千島問題と平和条約 著者:不破哲三 価格:864円(税込、送料込) 楽天ブックスで詳細を見る

サンフランシスコ平和条約で日本は千島列島を放棄した。 現在、我が国の主張は国後、択捉は千島列島には属さないので 北海道の一部である歯舞、色丹と共に4島一括返還せよというものだ。 しかし、サンフランシスコ条約を結ぶにあたって 国会で議論された際には、国後、択捉を南千島と呼び、 放棄する千島列島にも含まれるとはっきりと発言されている。 地図を見れば明らかなように国後、択捉は間違いなく千島列島の一部であり、 戦後、国後、択捉は千島に含まれないとの認識を同盟国に確かめた時も 英国、フランスに一蹴されてもいる。 我が国の主張は矛盾に満ちていると言わざるを得ないだろう。 これに対して、日本共産党の主張は、 千島列島をソビエトに引き渡すことを決めた米英ソ三か国で結ばれたヤルタ協定こそ 戦後の領土不拡大の原則を定めたカイロ宣言に反しており 日本とロシアが平和裏に結んだ千島樺太交換条約に基づき 千島列島全島の返還を求めるというものだ。 確かに正論ではあるが、その主張がロシアに、国際的に受け入れられるとは到底思えない。 現実的な解決策を求めるなら、一刻も早く歯舞、色丹の返還を求めることではないのか。 国後島のあまりの近さから国防上、国後の返還は理想だが 本来まぎれもなく日本の領土である歯舞、色丹がロシアに占拠されている現状を 一日も早く解決することこそが重要だと思う。 米国が小笠原・沖縄を返還してくれたみたいに ロシアは北方領土を簡単には返還してくれないのは周知の事実だ。 <「千島問題と平和条約」 不破哲三著 新日本出版>