日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

ヤクザに弁当売ったら犯罪か?

何度も書いてることだが、 僕は暴対法や暴排条例には反対の立場である。 親の家業がヤクザの家庭に生まれた著者の意見には全く同感である。 「○○ちゃんとはつきあったらダメ」などと自分の尺度で子供の交友関係を否定するバカ親。 暴力団関係者と交際してはいけない、と一方的に言う警察はまさにそのものだ。 そもそも暴力団暴力団との密接交際者とは誰のことを指すのか、利益供与とはどこまでを言うのか? それらの基準は曖昧で、警察の胸先三寸でどうとでも解釈できることがおかしい。 警察利権天下り先確保のためでしかないといわれても仕方ないだろう。 そもそも全国47都道府県で施行された暴排条例が法律として制定できないのは あきらかにそれが法の下の平等基本的人権の尊重を犯しているからだろう。 それともヤクザに人権はない、とでもいうのだろうか? 著者曰く、戦前の治安維持法と酷似しているというのも正論だ。 テレビや新聞でヤクザを擁護するような発言もできなくなりつつある。 一時人気を博したヤクザ映画も今後は難しくなるのだろう。 明らかに表現の自由の侵害でもある。 どうして、マスコミは、世間は、普通の市民は このことに疑問を感じない、意義を唱えないのだろう? <「ヤクザに弁当売ったら犯罪か?」 宮崎学著 ちくま新書