日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

グーグル革命の衝撃

検索市場寡占率はアメリカで五割を超え、ヨーロッパでは九割近くに達している国もあるグーグル。日本は先進国で唯一攻略できていない市場だが、それもいつまでかわからない。僕自身、パソコンを立ち上げたときこそYahoo!JAPANのホームページが立ち上がるが何か検索するときに使うのは最近はもっぱらGoogleだ。Yahoo!JAPANのトップページに表示される友近の水着姿の広告がうざくて仕方ないとも思うし。

Google本社オフィスでは食事はもとよりクリーニング、マッサージ、ジムやプールなどもすべてが無料という至れり尽くせりの福利厚生システムで世界中から優秀なエリートをかき集め、快適な職場環境でさまざまな分野の研究開発が進められている。間違いなく世界トップクラスの頭脳集団だろう。そしてこのGoogleが提供するサービスのほとんどすべてがわれわれ消費者には無料で使える。これを可能にしているのは検索連動型広告であるGoogleAdwordsだ。つまりGoogleAdwordsのみがグーグルのビジネスを成立させているってこと。その代わりにこのサービスを利用しているわれわれはグーグルに対して検索データという莫大な個人情報を提供しているわけだ。インターネットは「知の獲得時間」を大幅に短縮し生活は便利になった。けれど一歩間違えばとんでもない社会になってしまうという危険性もはらんでいるのではないか。グーグルという巨大なIT企業の存在が成長続ける限り。

<「グーグル革命の衝撃」 NHKスペシャル取材班著 新潮文庫