日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

キスよりもせつなく

200905061024000

唯川恵、名前すら知らなかった著者の、しかも20年近く前に書かれた小説を今、南の島で読んでることの不思議。これも何かの縁というべきか、そういう巡り合わせなんだろう。携帯電話のなかった頃の複雑な恋愛物語は、なんだか懐かしくもあり面白かった。印象に残ったセリフにこんなのがあった。 人生ってね、結局、いつも何らかの選択をして生きてゆかなければならないの。そして選んだ数だけ、何かを捨てていかなければならないの。両方を手にして、それにしがみついてるうちは、前に進めはしないのよ。 なんだかわかる気がした。 キスよりもせつなく 唯川恵集英社文庫