この本を読むまで知らなかったのだが、以前には韓国にもパチンコがあり、2006年8月からそれが全面禁止になりすべてなくなったのだそうだ。なぜ知らなかったのか？ それは日本のマスコミが一切報じなかったから。日本のテレビや新聞はいまやパチンコのCM、広告のオンパレード。広告主に対する配慮からニュースにすることを自主規制したためだ。つまり、お金のために報道を控えたってこと。日本の政治家もパチンコ業界からの献金に縛られて、パチンコの違法性や問題点を国会で取り上げることすらしない。何よりもお金至上主義の絶望的な国になり下がってしまった気がする。明らかに法律で禁止されている賭博であり、パチンコ中毒者による経済破綻など問題点も少なくないパチンコ店が巷にあふれている現状は異常というしかない。こんなことすら禁止できないこの国は、韓国より相当モラルのない国だと言われても仕方ないのではないか。ちょっと哀しくなる現実を知らされた気がした。 ＜「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」 若宮健著 祥伝社新書＞
