日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

ルポ 生活保護

2000年時点で日本の子供の貧困率は14.3%、ほぼ7人に1人の割合だ。これは税金や社会保険料等の負担を差し引き、逆に児童手当や年金、社会保障給付を加えた可処分所得でみたもの。国による所得再分配が行われた後の数字である。それに比べて再分配前の貧困率は12.9%。つまり日本は税制や社会保障制度によって子供の貧困率を悪化させているのだ。これは2000年のデータであるから今はもっとひどい状況になっているのではないか? 生活保護といえば、年金受給者より多くの手当をもらってたり、と半ば批判的にも考えがちであったけれど、そうではないと思った。「丸裸になった人に全部、着物をきせてあげる制度」ということらしい。最後の最後のセーフティネットなんだから、これは絶対に守らないといけない。不正受給者を徹底的に排除することと共に。 <「ルポ 生活保護」 本田良一著 中公新書