日出づる国の片隅で。

本の話から日常の話まで

「規制改革」を利権にした男 宮内義彦

かんぽの宿の一括譲渡問題でその胡散臭さが露見したオリックスの会長、宮内義彦規制緩和の旗手ともてはやされ参入障壁の高かった分野の扉をこじ開けては、その分野に新規参入して新たな利権を得て商売に結び付けてきた現実を赤裸々に綴った作品だ。村上ファンドもそもそもはオリックスの連結決算の対象会社である完全なグループ企業であったにもかかわらず、村上世彰の逮捕が近いと知ればばっさりとその関係を断ち切りあたかも何の関係もなかったかのように振る舞い、強制捜査さえ免れてきたのも宮内の政治力といってもいいだろう。僕にとっては元々、好きになれない、というより、大嫌いなタイプの男なのである。僕の大好きだった阪急ブレーブスを奪いとったのもこの男だから。

<「規制改革」を利権にした男 宮内義彦」有森隆著 講談社+α文庫>